「中小企業の情報利活用に係る実態調査」という資料が公開されています。PDFです。
https://zenkyo.or.jp/it/pdf/H25_rikatuyou.pdf
この資料の最大の見所は、この1ページです。最も導入されているのは販売管理だけれども、最も利用頻度の高い業務は経理である、という結果。
販売管理という言葉は、主に物理的な商品の売買を行っている会社において、受注から入金までの一連の流れを管理することを指します。一連の流れを細かく言うと下記の通りです。場合によっては、受注商品を発注する必要があります。
「引合」→「見積」→「受注」→(「発注」→「仕入」)→「出荷」→「売上」→「請求」→「入金」
で、この中で使っているのは「売上」以降のプロセスが多いって書いてあるわけですよね.. あの資料には。請求処理というのは典型的な定型業務です。どの顧客にも等しいやり方で正しく請求書を発行する必要があるからです。月締めの請求処理に例外があってはなりません。
それ以外の部分は、非定型・半定型業務なんですよね... 特に受発注の管理です。受発注には「買い手」⇔「売り手」⇔「仕入先」の3人のプレイヤーが登場します。具体的には「小売店」⇔「卸(メーカー)」⇔「メーカー」みたいな感じです。メーカーがOEMで別のメーカーに作ってもらうケースもあります。で、ただ頼めばいいというわけじゃなくて、小売店、メーカーの数だけ事情が異なります。どうしても特別な事情が両者に対して生まれてしまい、パッケージソフトでは限界があります。あの店はこの伝票じゃないとダメ、あのメーカーはいくら以上発注しないとダメ、あーじゃないのこーじゃないの... それがきっかけとなって、僕は内製をしました。
こういう事情があって、販売管理システムを導入してもやることは請求処理だけっていう話になるんだと思います。
ビジネスモデルもビジネスプロセスも同じようで違っており、それを担う人も違ってくる。しかもマンパワーが足りない中小企業においては、業務の隙間を人でカバーしたくても限界がある。でも、パッケージソフトでは合わないので内製するしか無い。よってExcelやAccessで頑張っているという話なんじゃないかと思っています。
そーゆー、非定型業務を下支えするのが、PaaSの最も効果的な使い道になっているように思います。PaaS(超高速開発ツール含)は、すごい低価格になってきた。マーケティング次第で化ける気がするんですよねぇ。