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ござ先輩の主に技術的なメモ

雑貨卸業者の生き残り戦略を考える

弊社は昨年9月よりメーカー在庫を当てにした雑貨卸販売を始めたのですが、向こう見ずなバカをやらかしてとんでもなく非効率な売り方を始めてしまいました。世の中直送が全てじゃないだろってことでシステムを組み始めて回せるようにはなったんですけど、業績向上には寄与できていない。引き物を軸にしちゃダメだ。経営戦略間違えたわ。

我々はどんな注文でもシステムが捌ける(出荷の現場は大変だけど)けれど、複数の仕入先からなる注文を細かく取ってそれを複数の顧客に分配して出荷する方式は、ものすごい手間暇がかかる割に儲からない。同額の売上をとるなら仕入先から直送させるべき。右から左へ流してもらうだけなら、調達コストは仕入代金だけ。そうでない場合は荷物を事務所か何かに寄せて荷物を作る必要があり、ピッキングの手間や検品の手間や荷物の包装などコストがかかる。細かくやれば売上は増えるけれど売上の利益率が悪いんで割に合わないよねっていう。

小売店からすれば細かく注文できるメリットは大きいけれども、雑貨ってそんなに細かく注文してくる店はない。商品を送料無料で仕入れるのに色んな物を買わないといけないのが実情だし、回転率は遅い。つまり、売上の主軸にするのは無理がある。実際の所毎週オーダーしてくれる顧客は殆どいないし、ガツンと必要なときは卸に頼むよりメーカー直で頼めば安く手に入るし納期も短いので、結構浮気される。小売店がどんどんメーカー直でやるケースが増える一方なのは事実。小売店向けのWEB発注ができるメーカーさん、かなり増えた。

そう、悲しいことに単なる雑貨卸は「本命と付き合っている男にとって都合のいい女」と同じになってしまう。ウチが紹介したメーカーの商材が売れたら、平気でそのメーカーと直接取引を開始されるケースも後を絶たない。価格では絶対にメーカーには勝てないのだから、商品価格以外のメリットで初めから勝負するしかない業態なのだ。オレはなんでこんな所に来てしまったんだ(え

よく卸業者の生き残り戦略として、教科書的にこんなことが書いてある。

  • ITの活用による精度の高い在庫管理・販売管理
  • メーカーと小売業との協働によるSCMの確立
  • 小売店の経営サポート・商品提案を行う
  • 物流機能の充実

メーカーと小売が協働する裏方に回って儲けましょうとか言ってるけどアホちゃうか。そのためには自分たちは卸売をやめて仲介に徹するしかないし、そこでマージンだけ抜いたら切られるだけですがそれはって思う。物流機能の充実には倉庫に投資するためにカネがいるんですが、数千万のカネ出せないんですけど。ITの活用して現状把握しましょうってある程度企業体が大きければ意味があるけど、◯◯商店レベルではほぼ無意味。別の手間がかかるだけ。小売店のサポートって要はディスプレイ提案とか販促のやり方みたいなことなんだろうけど、四六時中それをやってる小売店に卸が何を口出せるんだアホ。その辺のおっさんが20代の女性相手にどんな商品提案ができるんだっつーの。

僕が見聞きしている限り、実際生き残ってる卸業者って顧客を拡大して生き残ってるというより、企画力で生き残ってるところが多い。生産者とOEMを組んでオリジナル商材を組んで利益率の高い商品を売り込んだり、業務用のXXに異様に強かったり。

ただ、単純に右から左にするだけではなく、その顧客に対して「ひとひねり」入れたサービスを提供して商品を頼みやすくする努力をしないと、弊社も縮小せざるを得なくなることは必至でございます。頑張ろう。