小売りや外食など店舗網を急拡大している企業の中には、システムにより業務プロセスを驚くほど完璧に標準化して統制を利かせている企業が何社もある。成長に急すぎてマネジャーの育成が追い付かず、システムに代替させているのだ。ある社長は「理想はマネジメントの無人化」と平然と言っていた。
— 木村岳史(東葛人) (@toukatsujin) 2014, 11月 14
これは大正解だと思う。弊社もそうありたいと考えている。
ここでいうマネジメントというのは、受注を請けてから入金に至るまでの一連の流れを属人性を排除して回すことが出来るITシステムを作りたい、ということだと理解している。そうなると、社長は会社にいる意味がなくなり自分の時間を更なる営業活動に使ったり、違う事業に投資できたり、そのようなことが可能になる。
小さな会社ではあるけれど、引合〜受注〜発注〜出荷〜納品〜請求〜入金〜回収までのよくある販売管理の業務プロセスをシステムで標準化した結果、業務プロセスの9割は間接業務であることに気づいてしまった。簡単にいえば事務作業の集合体でしかなく、情報の受け渡しが的確に出来れば今日から入ったアルバイトさんでも回すことが出来る。事務作業に創造性は要らない。求めるのは正確性と均質性。機械のようだけど、それが事実。
販売管理でITによるマネジメントが出来るようになるまでは、「受注〜発注〜出荷〜納品」の4つの業務プロセスが完全に連携できているシステムを構築しなければならない。この間で誰かの特別な力が働いてしまうと、そこがボトルネックになる。TOC的に。
最も人的な労力が必要となるのが「取ってきた注文を確実に納入する為に商品を揃えること」で、この辺は多くの例外処理がたくさんある。下記がその例。
- 商品によって仕入先が異なる
- 同じ入荷先だけど入荷時期が異なる
- 自分で作ってる場合は生産先とのやりとりもある
- 商品が品切れしていることがある
- 複数の顧客の注文の集計処理
- 新商品の予約受付→残管理
- 在庫管理
上記のような例外処理を1つ1つシステムで吸収し、複数人の人間が同時に動けるようにしてあげると、経営はシステムに残った結果だけをモニタすれば良くなり、こういう結果になったのならこういう動きをしていこうという軌道修正が非常にスムースになる。僕の2013年は殆どその為に時間を費やした。10件の注文も100件の注文も事務的な負担が大差ない状態に出来た。これがITによるマネジメントの無人化ということに近いと思う。会社のキャパだけ取れるだけ注文を取ることが出来るし、細かい対応も可能になった。
それが出来るのは、僕がここにいて内製しているから。必ずしも内製じゃなくてもいいけど、業務プロセスを変えたい時にシステムを変えることが出来ないとダメ。自社だけで改善できる体制が必要で、それがないとITによるマネジメントどころかITに振り回されてしまう。変化に対応するためには自分で管理しなければ、どこに手を入れたらどうなるかを理解していないと意味が無い。
というわけで、ITによる無人化が出来るまでには相当なITリソースが必要になるので、中々に難しいけれども会社の経営基盤としては最強の形だなって思いました。