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ござ先輩の主に技術的なメモ

経営とITがわかるITコンサルタントが全然いない理由を考える

ITコンサルタントに関して色々情報収集していくと、「経営とITがわかるITコンサルタント」なるものが圧倒的にいないという話になる。なんでだろうと思って、僕なりに整理してみる。

身に付けるスキルセット大杉

経営とITがわかる為のスキルセットを考えよう。

ITのスキルにおいては「最低限自分で要件決めて実装して、システム(サブシステム)をリリースした経験」が絶対に必要。ソフトウェアをどのように設計して、どのように分割して実装したか。その後の運用でどんな機能の修正が入り、当初の設計から大きな破綻なしに拡大できたのか。アプリケーションの規模に関係なく、そのような経験が必要になる。

プログラムの書き方を学び、Webアプリケーションの構築に必要なスキルセットをひと通り網羅して、ERDが書けるようになるまでに、3年〜5年はかかると思う。

経営への理解というのも、大変難しい。ソフトウエアが扱うべき情報をその会社の事業運営から抽象化して抽出し、経営資源として扱っている「情報」を収集・蓄積して、どのように活用すれば事業運営に新たな価値を見出すことが出来るのか。そういうことをしなければならない。これが出来るようになれっていうのは、「実際にその為のITを作って自分で使って仕事をする」という経験がどうしても必要になると感じる。実際に使って改善してみないことには、事業運営にどれだけの意味があったのかが、わからない。

というわけで、本筋から言いますと、

  • Webアプリを自分で要件定義から実装まで一貫してやったことがある
  • 事業会社で必要なITを作り、それで仕事して運用改善したことがある

この2つの経験をベースに結実されたスキルセットでなければ、「経営とITがわかる」と言えないと思っています。で、こんなスキルセット持ってる人、ほとんどいないですよね。

腕のあるエンジニアは顧客の業務がどうこうよりも、より良いソフトウエアやサービス作りに回ります。業務プロセス改善なんて興味が無い。かたや、経営コンサルタントは業務分析等は出来るでしょうが、出来合いのソフトウエアの活用しか出来ない。それで埋まらない隙間がどんだけあると。Excel/Accessぐらいはお使いになれるでしょうが、限界があります。

仮にそんな人材がいたとしても

企業内から出てこないでしょう...独立して食っていくには難しすぎるから。継続的な付き合いをする意味をどこで見出すとしたら、実際のITを導入して改善することぐらいしか思いつかない。ITを提供しますと言ったら、開発もしくはパッケージの代理店業をやらなかんが、スクラッチの開発を何件も抱えるのは現実的ではない...。「こういうITがええ」「無料のXXを導入する」という所までしか踏み込めない。

これらの状況がだいたいあってるとしたら、一番の障壁であるオリジナルのITシステムへの導入をPaaSサービスで出来る方法論をねりこんで、要件定義→即実装→即リリース→改善のサイクルを回せるようにしたら、状況はガラッと変わる。ミニマムな修正はご自分で、規模が大きいのはプロがやる等の住み分けも出来るだろう。改善する意味があるシステムを入れられたら継続的にお付き合いをする意味がユーザー企業に生まれるので、顧問契約をする意味もあるはずだ。

上記が経営とITがわかるエンジニア(ITコンサルタント)が食っていけるビジネスモデルになれるかどうかは、僕の課題だ。