Life is Really Short, Have Your Life!!

ござ先輩の主に技術的なメモ

世界一小さな、世界一のセッター。竹下佳江さん。

ひさびさにバレーボールをTV観戦。2011女子のW杯バレーボール、日本対アメリカ戦。高さとパワーで圧倒するアメリカを相手に、サーブで崩して攻撃を単調にさせ、アメリカのブロックを悉くかわした絶妙のコンビバレーで、ストレート勝ち。単調とはいっても、あんだけ高くて肉体的に強い選手ぞろいだから、攻撃のリズムが合わなくなれば高さとパワーで負ける日本はジリ貧必至だっただろうと思う。ナイスゲームでした!お疲れさまでした、日本代表のみなさま!!!

しかしさ、だけどさ、一番の驚きは、セッターが「まだ」竹下さんだってこと。え・・・まだ現役でやってたんだ・・・竹下さん。マジかよ、俺より年上なんだぜ。シドニー五輪の予選敗退でバーンアウトして現役引退されたけれども、足掛け10年以上全日本で代表はっててさ、10年前ならまだしても33歳の今でワールドカップのベストセッター賞に選ばれるってどんだけすごいんだろう。全日本女子バレーといえば、竹下さんしか思いつかない。あとサオリン。サーブでえらい狙われているようだけど、安定してパフォーマンス出してるからすごいわ。

僕はバレーボール経験が無いので素人の解釈になってしまうけれど、セッターに重要な要素は「スピード」だと思う。相手のサーブが放たれたらコートのネット真ん中付近にもぐりこむスピード、その間に誰にトスをどのタイミングで上げるかを決めるスピード、放たれたトスからアタッカーまでに届くスピード。いくら高さとパワーがあっても、ブロックがついていけなければアタッカーが圧倒的に有利になる。相手が右だと思ったところに左に行けば、優位に立てる。

バレーボールはコートがせまいし人数も6人しか(リベロ除く)いないから、高さとパワーで劣る以上は、とにかくクリエイティブな攻撃を生み出す必要があるんだと思うんだ。韓国のキム・ヨンギョンのようなどっからでもスパイクが決められるようなスーパーエースがいればある意味楽なんだろうけど、そういうわけでもない。相手のサーブが来るときは、アタッカーのポジションをその時々でうまく変えながら、レシーバーから竹下大先生にボールが渡るまでにいろんな判断を入れていると思うのよね。その内容はさっぱりわからないけれど。

そして、このセッターっていうポジションは、絶対ブレちゃいけないはず。トスアップに自信が無ければならない。ブロックに捕まってもうるせーこのボケーカスーぐらいの気概が無くてはならず、転んでもただではおきないメンタルの強さ。そーゆーのがないと萎縮しちゃって気持ちが落ち込むから、トス回しも単調になるはず。クイックが捕まると萎えそうだよね、セッターとか。エースに上げて捕まるのもいやだけど、トス回しが原因でつかまることもありそうで、その際たるものってクイックな気がするのよ。セッターが安全そうだからという安易な道を歩んだらあかん。勇気を持ってリズムを変えて、流れを変えていかないと。野球のキャッチャーの配球が単調だとピッチャーの持ち味も引き出せないのと一緒じゃないかな。

世界的にほかに類似する例が無いと思うので、竹下佳江さんはもっと評価されるべき。

多分竹下選手のことだから最も印象に残ってる代表試合にはシドニー五輪予選敗退の試合を選びそうだけど、ロンドン五輪でバレーボール現役生活の集大成という大輪の花を咲かせてくれることを、願っております。がんばれ、ニッポン!