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ござ先輩の主に技術的なメモ

「成果主義」に騙されないために

ホッテントリメーカーからタイトルを頂戴した。

僕は会社機能の中で最も大切なのは、人事設計だと思っています。個々人の評価を決定する競争原理がここで決まるからです。営利を追求する企業組織である以上、どうしても競争は避けられない。社外に対しても、社内に対しても。競争のない組織は緊張感がなく、目的達成への活力を失ったリビングデッドになる恐れが高いです。評価体系が腐っている会社でやる気が出る従業員がどこにいるのかってことです。会社の中で最も大切な人事が蔑ろにされすぎなのではないかと感じることが多く、それで一番形骸化するのが人事部自身という皮肉に陥っている気がする。

年功序列はある意味当然

企業組織で人をどう評価するかというのは、今の所大きく言えば「年功」か「成果」の2つと言えます。ですが、基本的にこの2つは同じ方向を向いています。年功にしても成果にしても、パフォーマンスをベースに然るべき基準でもって個々人を評価する思想だからです。成果を出した結果、勤続年数に従い功が積み重なっていくので、結果として成果主義なんだけど年功序列になるというのが正しいと考えます。成果は年功の源と考えてみると僕的にはスッキリします。端的に言うと、ダルビッシュ有が3億円プレイヤーになるような現象は彼が年々コンスタントに「成果」を出して、チームの存続に貢献し続けているからその「年功」が評価されていると思います。原理的には。そのスピード感、つまり新陳代謝の促進速度が圧倒的に速いのが企業組織と違うだけで。

これが企業組織になると、年功序列が年齢序列になっていたり、成果主義が事なかれ主義になっていたり、そういう都合のよいケースが散見されているのは事実ですけれど。基本的に競争を内包している組織は成果以外の基準で評価をすることは間違いです。なので、成果主義が良いか悪いかという議論は僕にとってはあまり生産的ではなく、そもそも成果以外で図るものはないんだからその是非を問うことに然したる意味は無い、と思います。

しかし、ここで非常に難しい問題が出てきます。

「成果とは何か。」

少なくとも僕が間違いないと思っているのは、画一的で統一的な基準で判断できるようなものではないということです。全社共通というのはあり得ない。

成果主義だろうが年功序列だろうが、可もなく不可もないのは最低です。公平ってのは格差が無いってことではない。然るべき格差が生ずるのは当然のことであり、それをキチンと認めるほうが公平だと感じます。

その基準は色々あるしやり方は色々あるけれど、感覚的なんですが「つまんない」評価なんて誰も求めていないと思うんですよ。「え?何なのそれ?」ぐらいの奇抜さがあっていい気がするし、時代の変化に伴って事業構造を変えていくのなら、人事体系もそれにそって最適化したほうがよいと思います。組織体系をジャンジャン変えるのはどうかと思いますが。

今の時代、仕事内容がものすごい細分化されています。「システム関連の仕事をしています」といっても職種は多岐にわたりますし、業界も画一的ではありません。公平さを求めるのであれば、その会社の事業領域・組織体系に最適な設計を各々に作りこまなくてはならない。かといって、利益に貢献していないというか、売り上げの達成に最も直接的に貢献した人に対して縁の下の力持ち的な人はどう評価すれば公平なのかという悩みは、ずっとつきまとうのだろうけれど・・・。でも、その議論から逃げていては前には進めなくて。

人間が人間を裁くということが如何に難しいか。悩ましいです。